研究と開発

NO-185[精素学] 生 と 力

生の原理、力の原理、この二つに対しては幾つかの理論があるものの、その中で一番重要なのは、酸素の働きと炭素の働きであるのだ。生命ある動物は皆息をしているもので、息が切れた時点が死である。 息を止めればたった10分以内で死んでしまう。これは勿論体で酸素欠乏が起こるので、全ての細胞が動けないからである。酸素は生命体にどれ程重要なものかがよく分かる。だが生命体は酸素をさけでは生きていられない。そこには、必ず炭素というものが必要になるのだ。これが即プラスマイナスの相対性原理である。酸素は重いものであり、炭素は軽いものである、重い空気と軽い空気が体の中に於て各器官を働かしているのだ。車が走るのも軽いものと重いものの調和で走るのである。つまり、ガソリンは重いものになり、これが爆発して軽い炭素に変わるからピストンが動き力が加わり車が走るのだ。人間の体でもこのように重い酸素が体の細胞に入り爆発してそこから出る炭素の力で細胞が活動するのである。この原理から見る限り、酸素は生をいかし、炭素は力を起こすものになる。息を吸うときは生になり、息を吐くときは死になる。だが、その反対に外部から衝撃を受けた時、息を吸うと死になり、息を吐くと生になる。その理由は息を吸うときは、生だけで力が分散し衝撃に負けてしまう。息を吐くときは力が出るので衝撃に勝てるのだ。そしてもう一つ知っておく必要があるのは、息を吸って止めた力と、息を吸って吐きながら止めた力はその実態が異なる。それを応用して力を出すのが気合である。そこで息の重要なポイントは息の長短である。息を長く吸い上げるのは生に必要となり、吐くのを長くするのは力に必要となる。普通の呼吸は吸い上げが、吐くものより短かいものだが、研究、趣味等に熱中した時は、吐く呼吸が長くなる。我々が知らないうちやっている呼吸の全ては体のコンデイションによって違ってくるのだ。即、生は健康長寿を意味し、力は体力増強を意味する。力があったとして長生きするとは限らない。力のある人もあっけなく死んで行く場合がある。これは言うまでもなく生の呼吸より、力の呼吸を多くした結果である。吐く呼吸が必要以上に短かくなると、細胞の新陳代謝が低下し、神経に大きな負担がかかるのである。その反面呼吸を止めるのは生と力と双方に有利な影響があるのだ。バーベルを上げるにしても、力を使うにしても、必ず呼吸を止めなければ力が出ない。全ての生と力は呼吸からである。

著 力 抜 山