研究と開発

NO-138[精素学]  因 と 縁

全てのものに原因があり、全てのものに縁がある。原因は縁を生み縁は結果に至る。過去の原は現在の縁となって未来に続く。原と縁と果、これが自然のなりゆきである。一般に人々は縁があって結ばれ、縁があって成功するという話も間違いではないが、縁は人間の努力でなることもあるので、無縁のものを有縁にしたり、有縁のものを無縁にもすることが出来る。有縁、無縁で人間の将来を左右するが、この縁も複雑で原因と結果が全くつり合わないところでは縁も役に立たないのだ。魚は魚に対しての縁であり、動物は動物としての縁であるように、人間も元々から人間での縁であって、全く違うところではその縁は果たせない。人間は誰しも好き嫌いがあり、利口とバカがある。それゆえ、 素質と習慣によって縁が定まるといっても過言ではない。祖先の因から来る縁、環境から来る縁、 思想から来る縁、趣味から来る縁、精気生命体から来る縁、何れにしても縁は多角度に流れて結ばれるものである。勿論、人間は縁があって成功するものであるが、その縁はそれぞれ原因があって現実に結ばれるものの、現在の縁は未来をつくり、現在の縁は未来の原因となる。あらゆる原因は縁からなり、縁から結果が生まれるということが分かる。そのようなことで結ばれる縁は次第にパーセントが広がり結果的に100%での原因になってしまうのである。、過去の原因は現在の縁で大きく変化してしまうものだ。 人間原因が悪いから未来も悪いとは言えない。そして原因がよいから未来もよいとは限らない。過去も未来も皆、現在の縁で決まるものである。だがどれが悪縁であり、良縁であるのか、その見分けは全く予測出来ないものがある。良縁だと思ったのが悪縁になり、悪縁だと思ったのが良縁にもなる。このような難しい問題があって造られたのが占いである。では、そのような占いが悪縁、 良縁をはっきり分別出来るだろうか?そうでもない、如何に有名な占い師でも確実な断言は出来ない。そこには、心理現象があるからだ。動物のように、おりの中に入れられ、食べ物さえ与えればじっとしているものであれば、占いも100%的中するのだが、人間は、そうはいかない。現在の条件がいくら良くても、環境から来る刺激を五感が受け、今の縁から離れ他の縁を求めることがあるからだ。して見ると原因も結果も縁で決まり、縁無く原因無く、縁無く結果無しになる。縁は現実であり、生きるも死ぬも、現実から始まり、原因は縁を生み、縁は結果を生むことになる。

著 力 抜 山